AGA治療のデメリット5つと、始める前に見ておく数字。経験者の回答と添付文書で確かめた

AGA治療を始める前、経験者193人が一番ためらったのは費用でも副作用でもありませんでした。多かったのは「本当に変わるのか半信半疑だった」で36.8%。3人に1人以上が、お金や体のことより先に、効くのかどうかを疑っていたことになります。
AGA治療のデメリットは、この記事では5つに分けました。効果、副作用、費用、やめたときの変化、契約と手間です。薬の公式文書と診療ガイドライン、公的機関の資料に当たり、経験者とオンライン診療の利用者の回答と突き合わせています。そのうえで始めるかどうかを決めるのは、あなたです。
※AGA治療経験者の実態調査(編集部調べ・2026年7月・回答193名)
AGA治療のデメリットは5つ。最初の3つは、経験者が治療前にためらったことの多い順
5つを並べる順番から始めます。順番には意味があって、先に並べた3つは、実際に治療を受けた人たちが「始める前に一番ためらったこと」として挙げた順そのものです。後ろの2つは、「始める前に一番ためらったこと」の選択肢にありませんでした。
デメリットの中身は、効果・副作用・費用・やめたときの変化・契約と手間
- ① 効果は、フィナステリドでは確認できるまでに6ヶ月かかり、全員に出るわけではありません
- ② 副作用は、起こる頻度の書かれ方が薬によって違います
- ③ 費用は健康保険がきかず、全額自己負担です
- ④ やめたときの変化は、フィナステリドを飲むのをやめると効果が消えることです
- ⑤ 契約と手間は、申し込んだあとになって分かることがあります
効果の確認までの6ヶ月と、やめると効果が消えるという記述は、フィナステリド(プロペシア)の資料に基づくもので、AGA治療薬すべてに共通する話ではありません。
①から③は、薄毛の治療を扱う多くの記事が挙げています。④と⑤を挙げている記事は半分ほどで、扱いの重さもまちまちでした。そこで、実際に治療を受けた人がどれを重く見ていたのかを先に調べました。
なぜこの順番なのか?始める前の不安は効果・副作用・費用の順だった
| この記事のデメリット | 始める前に一番の不安として挙げた人(193人中) |
|---|---|
| ① 効果(本当に変わるのか半信半疑だった) | 71人・36.8% |
| ② 副作用 | 62人・32.1% |
| ③ 費用が続けられるか | 43人・22.3% |
| ④ やめたときの変化 | 選択肢になかった |
| ⑤ 契約と手間 | 選択肢になかった |
※AGA治療経験者の実態調査(編集部調べ・2026年7月・回答193名)。回答は1つだけを選ぶ形式
※調査概要:当サイト編集部による独自調査/調査方法:インターネット調査(クラウドソーシングサービスで回答者を募集)/調査期間:2026年7月10日〜7月15日/調査対象:医療機関でAGA治療を受けた経験のある18〜59歳の男性/有効回答数:193名
※回答は回答者の自己申告に基づくものであり、治療効果や特定の医療機関のサービス品質を保証するものではありません。
※調査の概要と全設問の集計は【2026年】AGA治療経験者193名に聞いた実態調査で公開しています
この質問には「クリニックをどう選べばいいか」も選択肢としてありました。選んだのは193人中4人です。「人に知られたくなかった」は9人でした。始める前の段階で回答者が気にしていたのは、どこで受けるかよりも、効くのかどうかでした。
④と⑤は、始める前の不安ではなく、始めてから起きることとして分けました。
5つは何を読んで確かめたか。資料と、見た箇所と、対象の薬
添付文書は、その薬を使うときの注意を国の審査を経てまとめた公式文書、診療ガイドラインは、日本皮膚科学会が治療の根拠を整理した文書です。5つのデメリットについては、この2つに、国が定めたルール(指針)と注意の呼びかけ、相談のデータベース、2回の調査を加えて、次のように調べました。
下の表は資料の一覧です。先に中身へ進んで、あとで戻って読んでも構いません。
| デメリット | 調べた資料(番号は記事末「参考資料」の番号) | 何を見たか | 対象の薬 |
|---|---|---|---|
| ① 効果 | [2] プロペシア錠 添付文書/[1] 診療ガイドライン2017年版/[8] 厚生労働省 オンライン診療の指針 | 国が認めている効き目と、効果の確認までの期間/48週(約11ヶ月)の比較試験の結果/塗り薬の使い始めの抜け毛/オンライン診療の前に医師が説明する事項 | フィナステリド/ミノキシジル(塗り薬) |
| ② 副作用 | [2] プロペシア錠 添付文書/[3] ザガーロカプセル 添付文書/[9] 英国MHRA Drug Safety Update | 副作用の頻度の区分と、注意が必要な人を書いた部分/中止後も続くことがある性機能障害についての海外の注意 | フィナステリド/デュタステリド |
| ③ 費用 | [2] プロペシア錠 添付文書/[6] 経験者193人の調査/[5] 厚生労働省の注意喚起/[7] オンライン診療利用者123人の調査 | 健康保険の扱い/回答者が答えた1ヶ月あたりの支払額/海外から自分で取り寄せた薬(個人輸入)の扱い/処方の中身別の月額 | フィナステリド/オンライン診療利用者の調査は処方の中身別(薬を特定しない) |
| ④ やめたときの変化 | [1] 診療ガイドライン2017年版/[2] プロペシア錠 添付文書/[6] 経験者193人の調査 | 中止したときに効果がどうなるか/続けた期間 | フィナステリド |
| ⑤ 契約と手間 | [4] 国民生活センターの注意喚起/[10] 同 消費生活相談データベース/[8] 厚生労働省 オンライン診療の指針/[7] オンライン診療利用者123人の調査 | 定期購入(解約するまで毎月自動で届く契約)をめぐる相談/定期購入の相談件数と相談事例/初診の処方日数の決まり/申し込みと解約でつまずいた点 | 薬に関係なく起こる |
それぞれの資料の改訂年月と、編集部が中身を読んだ日付は、記事の最後の参考資料にまとめました。

では、一番の不安だった「本当に変わるのか」に、資料がどう答えているかを見ていきます。
デメリット①効果は、確認までに6ヶ月かかり、全員に出るわけではない
効果にどこまで期待していいかは、3つの手がかりで見当がつきます。国(厚生労働省)が認めている効き目、確認までにかかる期間、比較試験で改善と判定された人の割合です。そのほかに気をつけることが2つあって、原因がAGAかどうかと、塗り薬の使い始めの抜け毛です。
フィナステリドが国に認められているのは「進行を遅らせること」で、効果の確認には6ヶ月かかる
フィナステリド(プロペシア)の添付文書に書かれた、国が認めた使いみち(効能・効果)は「男性における男性型脱毛症の進行遅延」です。「進行遅延」は進むのを遅らせることで、生やすことではありません。AGAは、この男性型脱毛症のことを指します。
同じ添付文書には、効果が確認できるまで毎日6ヶ月飲み続ける必要がある、とあります。飲み始めて1ヶ月や2ヶ月では、効いているかどうかを判定する材料がそろいません。
出典:プロペシア錠 添付文書(PMDA電子添文)(PMDA電子添文は、添付文書を国のサイトで公開しているページのこと。国が認めている効き目と、飲み続け方についての注意)
約11ヶ月(48週)の比較試験では、1日1mgを飲んだ人の58%が、写真の見比べで「軽度改善以上」と判定された
日本皮膚科学会の診療ガイドラインは、日本人男性414人を48週追った試験を引いています。1日1mgと1日0.2mgを飲み比べた比較試験です。1日1mgを飲んだ人のうち58%が、写真を見比べて「軽度改善以上」に分類されました。1日0.2mgを飲んだ人では54%でした。
出典:日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』(日本人男性414人を48週追った比較試験)
半数は超えました。ただし全員ではありません。残りの人がどうなったかは、ガイドラインに書かれていません。
だから、この58%を裏返して「4割が悪くなる」とも「4割が変わらない」とも読めません。「軽度改善以上」は写真を見比べて付けた評価の段階なので、どれくらい増えたのかは、この数字からは分かりません。飲めば必ず変わるという前提で始めると、6ヶ月後に判断が難しくなります。
6ヶ月後に効果が確認できなかったときにどうするか(続けるか、薬を変えるか、やめるか)は、処方のときに聞いておくと迷いません。
薄毛の原因がAGAでなければ、フィナステリドを飲む対象から外れる
添付文書には「男性における男性型脱毛症のみの適応である。他の脱毛症に対する適応はない」という記載があります。この薬を使ってよいのは男性型脱毛症だけ、という意味です。薄毛の原因はAGA以外にもあるため、飲む前にどの脱毛症なのかを診てもらってください。
出典:プロペシア錠 添付文書(PMDA電子添文)(この薬をどの脱毛症に使うかについての注意)
ただし診療ガイドラインは、AGAの診断は比較的容易だとも書いています。診断を受ければ分かるということなので、飲み始める前に一度診てもらっておくほうが、6ヶ月後に効いたかどうかの判断は楽です。
オンライン診療は画面を通したやり取りなので、医師が直接さわって診察することはできません。国の指針は、オンライン診療で進めると決める前に、医師が患者へ説明するよう求めています。説明するのは、画面越しでは得られる情報が限られることと、対面診療を組み合わせる必要があることの2点です。
出典:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(令和8年4月改訂)(オンライン診療の前に医師が説明する事項)
ミノキシジルの塗り薬は、使い始めに抜け毛が増えることがある
診療ガイドラインは、ミノキシジルの塗り薬を使い始めた時期に一時的な抜け毛が起こりうるとはっきり書いています。しかも、それで塗り薬をやめてしまう人が出る恐れがあるから、あらかじめ説明しておく必要がある、とまで書いています。
出典:日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』(ミノキシジルの塗り薬に効果があるかを扱った部分の解説)
使い始めのこの抜け毛は、初期脱毛と呼ばれることが多いものです。いつまで続くのかは、調べる先によって書かれている期間が違います。その理由は初期脱毛はいつまで続くのか?にまとめました。
資料から言えるのは3つです。国が認めている効き目は進行を遅らせること、確認までの期間は6ヶ月、比較試験で軽度改善以上と判定されたのは58%。どれも、処方を受ける前に資料で確かめられます。
デメリット②副作用は頻度の区分で読む。2つの薬で書かれ方が違う
「体に悪いのか」という問いに一言で答えるのは難しいのですが、薬ごとに頻度の区分を読めば、副作用がどれくらいの割合で報告されているかは分かります。
区分というのは、どれくらいの割合で起こるかを段階で示したものだと考えてください。添付文書は副作用を「1〜5%未満」「1%未満」「頻度不明」のような区分で並べていて、どこで区切るかが薬によって違います。なお「頻度不明」は、どれくらいの割合で起こるか分かっていないという意味で、起こらないという意味ではありません。
フィナステリドの副作用は、症状ごとに3つの区分に分かれている
フィナステリド(プロペシア)の添付文書では、リビドー減退(性欲の低下)が1〜5%未満、勃起機能不全と射精障害、精液量減少が1%未満の区分に置かれています。
肝機能障害は、添付文書が「重大な副作用」としてまとめている項目のひとつで、頻度は不明とされています。
「EDになる確率は」と聞かれたら、フィナステリドの添付文書では1%未満の区分、というのが答えになります。何%という1つの数字は、添付文書の副作用を書いた部分にはありません。
出典:プロペシア錠 添付文書(PMDA電子添文)(副作用の頻度)
デュタステリドでは、性欲の低下や勃起不全などがまとめて1%以上の区分に置かれている
デュタステリド(ザガーロ)の添付文書では、リビドー減退・勃起不全・射精障害が「性機能不全」としてひとまとめにされ、1%以上の区分に入っています。同じ症状でも、個別に分けるか、まとめて1つの区分に置くかは、薬によって違います。呼び方も薬の文書ごとに変わるので、名前が違うだけなら、別の症状ではありません。
出典:ザガーロカプセル 添付文書(PMDA電子添文)(副作用の頻度)

どこで区切るかが薬によって違う以上、2つの薬の頻度を並べて多い少ないを言うことはできません。頻度の数字だけを並べた説明では、その区切り方の違いは見えません。自分が飲むことになる薬の区分を読んでください。
経験者はこう書いていました。
副作用について知っておく必要がある事。治療してどのような状態になりたいかしっかり検討しておく。
※AGA治療経験者の実態調査(編集部調べ・2026年7月・回答193名)の自由記述より
添付文書には、いまうつ病やうつ状態の人と、かかったことがある人への注意を書いた部分もある
フィナステリドの添付文書には、注意が必要な人として、いまうつ病やうつ状態の人と、過去にかかったことがある人を挙げた部分があります。2023年8月の改訂で加わったものです。
出典:プロペシア錠 添付文書(PMDA電子添文)(注意が必要な人について書かれた部分)
当てはまるなら、診察のときにそれも伝えてください。飲み始めてから気になる変化があったときは、自分で判断せず処方元に相談してください。添付文書のこの記載が、そのときに相談する材料になります。
ここまでは体のことでした。次は、いつまで払い続けられるかを見ます。
デメリット③費用は健康保険がきかない。経験者が払った月額を年代別に見る
健康保険は使えません。193人のうち、1ヶ月の支払額が10,000円未満と答えた人が80.8%でした。
※AGA治療経験者の実態調査(編集部調べ・2026年7月・回答193名)
プロペシアは国が値段を決める薬のリストに入っていないため、費用は全額自己負担になる
プロペシアの添付文書には、この薬は健康保険の対象外で、国が値段を決める薬のリストにも載っていない、と書かれています。値段を国は決めていません。
出典:プロペシア錠 添付文書(PMDA電子添文)(この薬の取扱いについての注意)
資料から言えるのはここまでです。実際にいくら払ったかは、受けた人に聞くしかありません。
年代で分けても、1ヶ月の支払額で回答が最も多かったのは3,000〜6,000円未満か6,000〜10,000円未満
| 年代 | 回答者 | 3,000円未満 | 3,000〜6,000円未満 | 6,000〜10,000円未満 | 10,000〜15,000円未満 | 15,000円以上 | 覚えていない |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 18〜29歳 | 23人 | 3人(13.0%) | 9人(39.1%) | 6人(26.1%) | 4人(17.4%) | 0人(0.0%) | 1人(4.3%) |
| 30〜39歳 | 79人 | 9人(11.4%) | 29人(36.7%) | 28人(35.4%) | 8人(10.1%) | 5人(6.3%) | 0人(0.0%) |
| 40〜49歳 | 59人 | 6人(10.2%) | 19人(32.2%) | 22人(37.3%) | 8人(13.6%) | 1人(1.7%) | 3人(5.1%) |
| 50〜59歳 | 32人 | 3人(9.4%) | 13人(40.6%) | 9人(28.1%) | 3人(9.4%) | 3人(9.4%) | 1人(3.1%) |
※AGA治療経験者の実態調査(編集部調べ・2026年7月・回答193名)。金額は回答者が答えた1ヶ月あたりの税込支払額で、薬代と診察料の別までは聞いていません
※18〜29歳は回答者が23人と少ないため、割合だけでなく人数で読んでください
どの年代でも、答えは同じ2つの金額の幅に集まりました。年代が上がると急に高くなる、ということはありませんでした。
自分の年代の行だけ見れば足ります。30代なら、79人中29人が3,000〜6,000円未満、28人が6,000〜10,000円未満でした。
この調査では処方内容まで聞いていないので、金額が近い理由は分かりません。ただ、どの金額帯に何人いたかは分かります。
月額は処方の中身で変わる。オンライン診療を使った123人の支払額で見る
ここから先は別の調査です。193人ではなく、ビデオ通話のオンライン診療でAGAの診察と処方を受けた123人に、支払額と処方の中身の両方を聞いています。
処方の中身で分けると、月6,000円以上だったのは、飲み薬1種類だけの人で43人中4人、飲み薬2種類以上で56人中30人、飲み薬と塗り薬で23人中16人でした(塗り薬だけの人も1人いました)。
※オンラインAGA診療の利用実態調査(編集部調べ・2026年8月・回答123名)。金額は税込で、割引やクーポン適用後の1ヶ月あたりの額(初月だけの特別価格は除く)
※【調査概要】調査名:オンラインAGA診療の利用実態調査/調査主体:当サイト編集部(編集部調べ)/調査期間:2026年8月10日〜8月16日/調査方法:インターネット調査(クラウドワークス)/調査対象:スマートフォンやパソコンのビデオ通話によるオンライン診療で、AGA治療の診察・処方を受けた経験のある18〜59歳の男性/有効回答数:123名。回答はすべて自己申告に基づくものであり、オンラインAGA診療の利用者全体の縮図を保証するものではありません。
※調査の概要と全設問の集計は【2026年】オンラインAGA診療の利用経験者123名に聞いた実態調査で公開しています
飲み薬が1種類か2種類かで、月6,000円以上になる人の割合はここまで変わります。見積もりをもらったら、金額だけでなく、そこに何が入っているかも一緒に確かめてください。
費用を抑えようと海外から自分で取り寄せる(個人輸入)と、公的な救済の対象にならない
個人輸入で安く済ませようとすると、品質や有効性、安全性が確認されていない薬を使うことになります。薬で健康被害が出たときには、国の医薬品副作用被害救済制度で補償を受けられる仕組みがありますが、個人輸入した薬はその対象になりません。
出典:厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」(個人輸入した医薬品による健康被害についての注意)
診察料や検査料まで含めて月にいくらになるかはAGA治療の費用、実際のところ月いくら?にまとめています。月額は処方の中身で決まりますが、支払う総額は、その月額を何年払うかで決まります。自分が払える額かどうかは、その2つを掛け合わせてから判断してください。
デメリット④やめると効果は消える。だから何年続けているかまで見る
飲むのをやめると効果は消えます。通算の治療期間(合わせて何年治療を受けたか)を経験者に聞くと、1〜3年未満と答えた人が最も多く、5年以上続けた人も11.9%いました。
※AGA治療経験者の実態調査(編集部調べ・2026年7月・回答193名)
やめたときの変化について、始める時点で決めておけることは、いつまでなら払い続けられるか、その1つだけです。このあとに出す治療期間の分布は、その年数を見積もる目安になります。
たとえば月6,000〜10,000円未満の幅に当てはまる人が3年続ければ、支払いは約22万〜36万円になります。この22万〜36万円は金額の幅から計算した例で、平均でも予測でもありません。
ガイドラインも添付文書も続ける前提で書かれていて、やめてから髪が元に戻るまでの期間は書いていない
診療ガイドラインは、フィナステリドを飲むのをやめると効果は消える、とはっきり書いています。添付文書も、効果を持続させるためには続けて飲むこと、としています。言っていることは同じです。
出典:日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』(フィナステリドを飲むことに効果があるかを扱った部分の解説)
出典:プロペシア錠 添付文書(PMDA電子添文)(飲み続け方についての注意)
ただし、やめてからどのくらいの期間で元に戻るのかは、ガイドラインにも添付文書にも書かれていません。「やめたら一気に抜ける」という説明を見かけても、その根拠はこの2つの資料にはありません。
経験者が治療を続けた期間を、年代別に見る
先ほどと同じ人たちに、どれくらいの期間治療を受けていたかも聞いています。
| 年代 | 回答者 | 半年未満 | 半年〜1年未満 | 1〜3年未満 | 3〜5年未満 | 5年以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 18〜29歳 | 23人 | 2人(8.7%) | 12人(52.2%) | 6人(26.1%) | 2人(8.7%) | 1人(4.3%) |
| 30〜39歳 | 79人 | 6人(7.6%) | 22人(27.8%) | 35人(44.3%) | 7人(8.9%) | 9人(11.4%) |
| 40〜49歳 | 59人 | 5人(8.5%) | 13人(22.0%) | 28人(47.5%) | 5人(8.5%) | 8人(13.6%) |
| 50〜59歳 | 32人 | 7人(21.9%) | 8人(25.0%) | 10人(31.2%) | 2人(6.2%) | 5人(15.6%) |
※AGA治療経験者の実態調査(編集部調べ・2026年7月・回答193名)。治療を受けた期間で、現在も続けている人と、やめた人の両方を含みます
※18〜29歳は回答者が23人と少ないため、割合だけでなく人数で読んでください
年代ごとに、答えのばらけ方が違います。18〜29歳は半年〜1年未満と答えた人が最も多く、23人中12人でした。50〜59歳は半年未満が7人と他の年代より多い一方で、5年以上も5人いました。
この数字は、回答者が答えた通算の治療期間です。各期間に実際にいくら払ったかは、この調査では分かりません。
何年払うことになるのかを、経験者は「長期で見ると」という言葉で書いています。
オンライン診療は確かに気楽でコスパも良いのですが、長期で見るとランニングコストがかかりますので、最初にもっと調べるべきでした。
※AGA治療経験者の実態調査(編集部調べ・2026年7月・回答193名)の自由記述より
経験者のうち34.7%は、いまは治療をやめています。やめた理由まではこの調査では聞いていません。
やめた人が何を後から思ったかはAGA治療で後悔しないために。経験者193人の実データで見る、始める前に知っておきたいことにまとめました。
続けるかやめるかを自分で決められるかどうかは、薬の話ではなく契約の話になります。
デメリット⑤オンライン診療にも、定期購入の確認と入力の手間がある。利用者の回答
契約の条件と手続きは、通院でもオンラインでも、申し込む前に確かめることです。ただし、この記事が数字で示せるのは、オンライン診療を使った123人の回答に限られます。デメリット⑤は、解約の手続きと申し込みの入力の2つです。どちらも薬ではなく、申し込み先の条件で決まります。
※オンラインAGA診療の利用実態調査(編集部調べ・2026年8月・回答123名)
定期購入になっていないか、申し込む前に確かめる
国民生活センターは2026年6月、AGA治療などのオンライン診療をめぐるトラブルについて注意を呼びかけました。オンライン診療の受診後に薬を購入する場合、定期購入になっているケースが多くみられるとして、契約内容や解約条件をよく確認するよう求めています。
出典:国民生活センター「ニキビ、AGA治療や痩身目的等のオンライン診療のトラブルにご注意−処方薬の定期購入にかかるトラブルが目立ちます−」(消費者へのアドバイス)
消費者から寄せられた相談を集めた消費生活相談データベースも、同じ国民生活センターが公開しているものです。そこでは、医療サービスに関する相談のうち定期購入をめぐるものが、2021年度の9件から2025年度には452件に増えています。男性からの相談は1件から166件になりました(2026年8月1日に調べた時点の件数)。ただしAGAに限った件数ではなく、ニキビや睡眠薬を含む医療サービス全体の数です。
件数は寄せられた苦情を数えただけのもので、危険の大きさをそのまま表す数字ではありません。同じデータベースには、相談の概要をまとめた文も載っています。
オンライン診療を受けAGAの薬を半年分処方してもらった。先日また薬が届き定期購入になっていると知った。解約したい。
出典:国民生活センター消費生活相談データベース(2026年8月1日時点・リンクなし)(医療サービス×定期購入の相談件数と相談事例。国民生活センター消費生活相談データベースより)
オンラインの初診では、持病などの情報が医師に分からないうちは、8日分以上の薬を出さないことになっています。国の指針がそう定めているからです。まとめて届く前提なら、何日分がいつ届くのかが先に分かっていないと困ります。
出典:厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(令和8年4月改訂)(初診の処方日数についての決まり)
ビデオ通話でAGAの診察と処方を受けた123人に聞くと、解約の手続きをしたことがある人は56人でした。そのうち33人はマイページやアプリ、LINEから自分の操作で解約したと答え、17人は電話や問い合わせフォームで申し込み先に連絡して解約したと答えました。残る6人は、そのほかの方法で解約した2人と、方法を覚えていない4人でした。
※オンラインAGA診療の利用実態調査(編集部調べ・2026年8月・回答123名)
自分の操作だけで終わった人のほうが多いとはいえ、17人は申し込み先に連絡する方法を選んでいました。
本人確認や問診の入力が面倒だった人は、123人のうち16人
通院しないオンラインでも手間はあります。同じ利用者に、申し込みから支払いまでのあいだで困ったことを選んでもらうと、「本人確認・問診の入力が面倒だった」を選んだ人が16人いました。つまずきを1つでも挙げた人は123人中56人でした。解約の手続きをした人数と同じ56人ですが、別の質問への回答なので、同じ人たちとは限りません。
※オンラインAGA診療の利用実態調査(編集部調べ・2026年8月・回答123名)。複数回答
複数を選べる形式なので、つまずきの順位をここから読むことはできません。ただ、薬の話とは別のところに手間があり、それを面倒だと感じた人が16人いたことは分かります。
5つのデメリットのうち、⑤だけは添付文書にもガイドラインにも載っておらず、申し込み先の案内で確かめるものです。クリニックを選ぶときも、定期購入かどうかと、解約の方法が、申し込む前に読める場所に書いてあるかどうかが、判断の材料になります。5つを並べ終えたので、残った個別の疑問を4つ片づけてから、最初に確かめる1点をまとめます。
AGA治療のデメリットについてよくある質問
- 5つのデメリットを確認したうえで、始めないと決めてもいいですか?
- AGA治療で精力は減りますか?
- 副作用は薬をやめれば治まりますか?
- AGA治療は危ないですか?
まとめ AGA治療のデメリット5つと、治療しない場合のデメリット1つ
「本当に変わるのか」という最初の疑問には、こう答えられます。国が認めている効き目は進行を遅らせること、効果の確認までは6ヶ月、比較試験で軽度改善以上と判定されたのは58%でした。あと1つ、治療しない場合のデメリットが残っています。
治療しない場合のデメリットも1つある。AGAは徐々に進行する
診療ガイドラインは、AGAを思春期以降に始まり徐々に進行する脱毛症だと説明しています。20歳代後半から30歳代にかけて著明となり、40歳代以後に完成される、と記しています。20代後半から30代ではっきりしてきて、40代以降にだいたい進み切る、と読んでください。この記載だけでは、個人ごとの進行の速さや、いつ変化が止まるのかまでは分かりません。
出典:日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』(AGAがどういう脱毛症かを説明した部分)
治療しない場合のデメリットは、この進行そのものです。進行の速さをどう見るかは「AGAは発症したら終わり」は本当かで扱っています。
デメリット別に最初に確かめる1点と、いまの判断3つ
5つそれぞれについて、始める前にやっておくことは1つに絞れます。全部を調べ切る必要はありません。
| デメリット | 最初に確かめる1点 |
|---|---|
| ① 効果 | 薄毛の原因がAGAかどうかと、6ヶ月後に効果が確認できなかったときの選択肢を、処方のときに聞いておくこと |
| ② 副作用 | 処方のときに、飲む薬の副作用の区分を聞き、いまかかっている病気や、かかったことのある病気を伝えること |
| ③ 費用 | 見積もりをもらったら、薬代だけか診察料込みかを確かめたうえで、経験者の8割が月10,000円未満だったのと比べておくこと |
| ④ やめたときの変化 | いつまでなら払い続けられるかを、年数で先に決めておくこと |
| ⑤ 契約と手間 | 定期購入かどうかと、解約の方法を申し込む前に見ておくこと |
そのうえで、いまの判断は3つに分かれます。
| いまの判断 | 次に読む記事 |
|---|---|
| 始める | 契約の条件と解約の方法を見てから、AGAオンライン診療に対応するおすすめクリニック12選 |
| 様子を見る | 「AGAは発症したら終わり」は本当か |
| しない | AGA治療で後悔しないために。経験者193人の実データで見る、始める前に知っておきたいこと |
添付文書は改訂されることがあり、そのたびに「何年何月改訂 第◯版」という表記が変わります。編集部が読んだ添付文書の改訂年月と、読んだ日付は、下の参考資料に書きました。あとで同じ添付文書を開くときは、その改訂年月が参考資料の表記と同じかを確かめてください。違っていれば、内容が変わっている可能性があります。
参考資料(本記事で参照した資料)
(確認日=編集部が中身を読んだ日)
- [1] 日本皮膚科学会『男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版』(日本皮膚科学会雑誌 127巻13号2763-2777ページ・2017年/確認日2026年9月7日)
- [2] プロペシア錠 添付文書(PMDA電子添文)(2023年8月改訂 第4版/確認日2026年9月7日)
- [3] ザガーロカプセル 添付文書(PMDA電子添文)(2025年8月改訂 第2版/確認日2026年9月7日)
- [4] 国民生活センター「ニキビ、AGA治療や痩身目的等のオンライン診療のトラブルにご注意−処方薬の定期購入にかかるトラブルが目立ちます−」(2026年6月23日公表/確認日2026年9月7日)
- [5] 厚生労働省「医薬品等を海外から購入しようとされる方へ」(確認日2026年9月7日)
- [6] 【2026年】AGA治療経験者193名に聞いた実態調査(編集部調べ・2026年7月10日〜15日・回答193名)
- [7] 【2026年】オンラインAGA診療の利用経験者123名に聞いた実態調査(編集部調べ・2026年8月10日〜16日・回答123名)
- [8] 厚生労働省「オンライン診療の適切な実施に関する指針」(令和8年4月改訂)(平成30年3月・令和8年(2026年)4月改訂/確認日2026年9月7日)
- [9] 英国MHRA Drug Safety Update(2026年5月11日)「Finasteride and Dutasteride – updated safety warnings for psychiatric side effects and sexual dysfunction」(第19巻10号/確認日2026年9月7日)
- [10] 国民生活センター消費生活相談データベース(2026年8月1日時点)(その日に調べた時点の件数。同データベースは2026年9月11日に公開が終わる予定のためリンクは置いていません)
※AGA治療は自由診療です(健康保険がきかず、費用は全額自己負担)
